【2025年改正対応】食品表示法の変更点まとめ|くるみ義務化・添加物ルールの対策とは?

2026年を迎え、食品業界を取り巻く環境はますます変化しています。特に食品表示に関しては、消費者の「食の安全」に対する意識の高まりとともに、メーカー側に求められる責任のレベルが格段に上がっています。

記憶に新しいのは、昨年(2025年)3月末に経過措置期間が終了した「くるみ」のアレルギー表示義務化です。しかし、法令の施行はゴールではありません。むしろ、完全施行された「その後」である現在こそ、実際の運用におけるミスや見落としが発覚し、商品回収(リコール)に繋がるケースが後を絶ちません。

「うちはすでに対応済みだから大丈夫」
そう思っている現場こそ、今一度点検が必要です。

本記事では、福岡で長年シール・ラベル印刷に携わり、多くの食品メーカー様と共に法改正対応を行ってきた株式会社M&Cが、2026年現在に求められる「食品表示のコンプライアンス」について徹底解説します。

くるみ表示の盲点から、近年厳格化されている「無添加」表示のルール、そして万が一のミスをカバーする訂正シールの技術的活用法まで、実務に即した情報をお届けします。

 

2025年3月の経過措置終了から1年。現場で起きていること

まず現状の整理です。食品表示基準の改正により、特定原材料に「くるみ」が追加され、8品目の表示が完全義務化されたのが2025年4月1日でした。それから時間が経過し、市場に出回る商品はすべて新基準のラベルになっているはずです。

しかし、消費者庁や保健所の監視の目は、施行直後よりも現在の方が厳しくなっています。施行直後は「切り替えの過渡期」として多少の情状酌量があったケースでも、現在は「法令違反」として即座に行政指導や回収命令の対象となります。

特に2026年に入り、サプライチェーンの複雑化に伴って「意図しない成分混入(コンタミネーション)」や「原材料規格書の更新漏れ」による表示ミスが散見されています。法令は生き物です。一度対応して終わりではなく、継続的なメンテナンスが必要不可欠です。

再確認したい「くるみ」表示の隠れたリスク

「くるみを使用したお菓子を作っていないから関係ない」と考えている場合、そこには大きな落とし穴があります。2025年の改正対応で最も現場を混乱させたのは、直接的な原材料ではなく「隠れたくるみ」の存在でした。

複合原材料に潜むリスク

自社工場でくるみを扱っていなくても、仕入れている「半製品」や「調味料」に含まれているケースがあります。特に注意が必要なのは以下のカテゴリーです。

・洋菓子用ペーストやプラリネ
アーモンドやヘーゼルナッツのペーストだと思っていても、製造ラインの共有や、風味付けのためにくるみが微量に含まれている製品があります。

・輸入ソースやドレッシング
海外(特に欧米)では、くるみ(Walnut)は非常にポピュラーな食材です。パスタソースやドレッシングのコク出しに使われていることがあり、規格書の翻訳漏れや確認漏れが発生しやすいポイントです。

・カレーやスパイスミックス
カレーのルウや、複雑なスパイスミックスの中に、ナッツ類が粉砕されて入っていることがあります。

規格書(仕様書)は最新になっていますか?
仕入れ先メーカーが2025年の法改正に合わせて規格書を更新しているはずですが、旧データのまま管理していると、重大な表示欠落に繋がります。2026年の今、改めて全原材料の規格書の日付を確認し、古いものは更新を依頼するフローを確立してください。

コンタミネーション(交差汚染)の表示判断

同一製造ラインでくるみを使用している場合の「注意喚起表示」も重要なポイントです。

「本品製造工場では、くるみを含む製品を製造しています」

この一文を入れるかどうかは、単なる保険ではありません。十分な洗浄を行ってもアレルゲン物質が除去しきれない可能性がある場合にのみ記載が認められるものです。安易にすべての商品に記載することは、消費者の選択肢を不当に狭めるとして推奨されていません。

洗浄バリデーション(洗浄効果の科学的検証)を行い、その結果に基づいて表示の有無を決定するというプロセスが、2026年の品質管理ではスタンダードになっています。

「無添加」表示の厳格化とガイドライン対応

アレルギー表示と並んで、現在非常に厳しくチェックされているのが「食品添加物の不使用表示(いわゆる無添加表示)」です。

2022年3月に消費者庁から策定された「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」が、数年の周知期間を経て、2026年現在は実質的な運用ルールとして定着しています。このガイドラインに違反している表示は、優良誤認(景品表示法違反)を招くリスクがあります。

具体的にNGとなりやすい表現

以前は当たり前のように使われていた表現でも、現在は不適切とされるケースが増えています。

表示例(NGまたは注意) NGとされる理由・背景
単に「無添加」とだけ大きく表示 「何が」無添加なのか不明確。保存料なのか、着色料なのか、全ての添加物なのかが消費者に伝わらないため。
人工甘味料不使用
合成保存料不使用
「人工」「合成」という用語自体が、食品表示基準で削除されています。「甘味料不使用」「保存料不使用」と書くのが適切です。
添加物を使用していないのに「体にいい」「安全」等を強調 添加物は国の安全基準を満たしているものであり、「無添加=安全」「添加物=危険」という誤解を過度に煽る表現は避けるべきとされています。
(原材料由来の添加物機能があるのに)保存料不使用 例えば、日持ち向上目的で「グリシン」や「ビタミンB1」などを使用している場合や、保存効果のある抽出物を使っているにも関わらず「保存料不使用」と書くと誤解を招きます。

パッケージのリニューアルを検討する際は、これらの「強調表示」が最新のガイドラインに抵触していないか、専門家の目を通すことが強く推奨されます。

原料原産地表示の複雑化と対策

全ての加工食品に対して義務化されている「原料原産地表示」も、運用が定着した一方で、ミスが起きやすいポイントです。

製品の中で最も重量の割合が高い原材料(重量順位1位)について、その原産地を表示しなければなりません。

調達先の変更リスク

昨今の国際情勢の変化や円安の影響で、原材料の調達先を国単位で変更することは珍しくありません。例えば、これまで「鶏肉(ブラジル)」と表示していたものを、タイ産に切り替えた場合、当然ラベルの修正が必要です。

しかし、頻繁に産地が変わる場合、その都度包材を刷り直すのはコスト的に不可能です。その場合は、「A国又はB国」といった「可能性表示」や、「A国、B国」といった「大括り表示」が認められるルールがあります。ただし、これらを使用するには一定の条件(過去の実績に基づくなど)があり、根拠資料の保管が義務付けられています。

「とりあえず又はと書いておけばいい」という安易な運用は法令違反となります。調達部門と品質管理部門、そしてラベル作成担当者が密に連携を取れる体制づくりが重要です。

ラベル在庫の救世主「訂正シール」の技術的解説

法令改正や急な産地変更が発生した際、手元にある数万枚の包材を廃棄処分にするのは、経営的にも環境配慮(SDGs)の観点からも避けたい事態です。

そこで活躍するのが「訂正シール」です。福岡のM&Cでも、年間を通じて最も相談が多いのがこの訂正シール案件です。しかし、訂正シールは「ただ貼ればいい」という単純なものではありません。環境や用途に合わせた「糊(のり)」と「材質」の選定が、品質を左右します。

1. 絶対に透けない「訂正用糊」の仕組み

通常のシールの糊は透明ですが、訂正用シールの糊には「グレー」や「銀色」の顔料が混ぜられています。これにより、下地にある文字やバーコードを完全に隠蔽(いんぺい)します。

M&Cでは、下の文字の濃さやシールの厚みに応じて、最適な遮光性を持つ素材を選定しています。「修正したことがバレバレ」な薄いシールではなく、パッケージと一体化するような自然な仕上がりを目指します。

2. 温度帯による使い分け(冷蔵・冷凍・常温)

食品ラベルで最も重要なのが温度帯です。特に冷蔵・冷凍食品に訂正シールを貼る場合、通常の糊では、結露や低温によって剥がれ落ちてしまうリスクがあります。

・冷食用糊(冷凍糊)
マイナス環境下でも粘着力を維持できる特殊な糊です。すでに凍っている商品に貼る場合と、常温で貼ってから冷凍する場合で選定が変わります。

・結露面対応糊
冷蔵庫から出した直後の、水滴がついた表面にも強力に貼り付く糊です。

3. 貼る場所と作業性

手貼りで対応するのか、ラベラー(機械)で貼るのかによって、シールの納品形態(シート仕上げか、ロール仕上げか)が変わります。数千枚レベルの修正作業において、シールが剥がしやすいかどうかは作業効率に直結します。

M&Cでは、現場のパートさんが手袋をしたままでも剥がしやすいようなスリット加工や、台紙の工夫など、作業現場の負担を減らす提案も行っています。

ミスを防ぐ!正しい表示ラベル作成のワークフロー

2026年、食品表示のミスをゼロにするためには、属人化を防ぐワークフローの構築が必要です。

STEP1:情報の源流管理

規格書管理システムなどを活用し、原材料情報の更新漏れがない状態を作ります。ここで情報が間違っていると、その後の工程がすべて無駄になります。

STEP2:版下データの作成(プロへの依頼)

社内でWordやExcelで作ったデータを入稿されるケースもありますが、文字サイズ(原則8ポイント以上)や行間、文字の太さなどが規定を満たさないリスクがあります。表示作成は、食品表示検定などの知識を持った担当者がいる印刷会社へ依頼するのが確実です。

STEP3:デジタルとアナログのダブルチェック

人間の目は、慣れれば慣れるほどミスを見落とします。
・読み合わせチェック(2人1組で元データと版下を読み上げる)
・デジタル検版(専用ソフトで変更前後の差分を抽出する)
この両輪でのチェック体制を持っている印刷会社を選ぶことが、リスクヘッジに繋がります。

2026年の新トレンド:環境配慮とDX

最後に、これからのラベル作成において意識したい2026年のトレンドについて触れておきます。

一つは「環境配慮型資材」への移行です。バイオマスインキの使用や、再生紙・FSC認証紙を使用したラベルは、大手流通チェーンへの導入条件になりつつあります。ラベルの基材を薄くしてゴミを減らす取り組みも進んでいます。

もう一つは「ラベルのDX化」です。限られたラベル面積に全ての情報を詰め込むのが難しくなる中、二次元コード(QRコード等)を活用して、Webサイトで詳細なトレーサビリティ情報やレシピ、アレルギーの詳細情報を開示する動きが加速しています。

M&Cでは、こうした最新のトレンドを踏まえたラベル素材の提案や、Web誘導を含めたパッケージデザインの相談も承っております。

福岡・九州エリアのパートナーとして

食品表示は、法改正のたびに複雑さを増しています。東京などの大都市圏だけでなく、ここ福岡・九州エリアにおいても、製造現場が抱える悩みは深刻です。

「法律の解釈が合っているか不安」
「急に原材料が変わって、来週出荷分から表示を変えないといけない」
「小ロットだけど、きちんとしたラベルを作りたい」

こうしたお悩みに対し、株式会社M&Cは「顔の見えるパートナー」として対応します。メールや電話だけでなく、必要であればサンプルを持って現場へ伺い、実際の商品の材質や保管環境を確認した上で、最適なラベル・シールをご提案します。

表示内容の不備は、企業の信頼を一瞬で失墜させかねません。だからこそ、印刷会社選びは「安さ」だけでなく「知識」と「対応力」で選んでください。

結び:安心安全な商品を届けるために

2025年の法改正を乗り越え、2026年はその運用を定着・進化させる年です。正しい食品表示は、消費者へのラブレターであり、ブランドを守る最強の盾となります。

日々の業務に追われる中で、表示の細部まで目を配るのは大変な労力です。そんな時こそ、プロフェッショナルである私たちを頼ってください。皆様が自信を持って商品を送り出せるよう、全力でサポートいたします。

福岡でシールやラベルの印刷をご検討の方は株式会社M&Cまでご相談ください

2025年の法改正対応後の表示点検や、急な原材料変更に伴う訂正シールの作成にお困りではありませんか?
M&Cでは、最新の食品表示法(くるみ・無添加ガイドライン等)に対応したラベル作成から、冷凍・冷蔵商品にも安心して貼れる高機能な訂正シールの提案まで、お客様の現場課題に合わせて柔軟に対応いたします。

専門知識を持つスタッフが、データ作成から印刷・納品までワンストップでサポートします。「手持ちの資材を活かしたい」「小ロットで急ぎたい」など、まずはどのようなことでもお気軽にお見積り・お問い合わせください。